築9年 6階建て 共同住宅
今回の調査は、築9年の共同住宅になります。また調査範囲も共有部分のみという依頼があり、打診検査や非破壊検査などを使用して調査を行いました。
築年数からはまだまだ躯体の状況は劣化していないので大丈夫と思われる方が大半だと思われます。しかし建物の劣化は新築~引き渡し終わってからじわりじわりと進行していっているのです。
その建物のメンテナンスを行う時期が10年~15年を目安に一度外部の修繕工事などが行われております。そのタイミングを逃すと今度は給排水設備、電気設備などの機器の修繕が行われていくような流れになって
きますので、まずは躯体のメンテナンスを行い定期的な修繕・補修工事の検討を行っていくことをお薦めいたします。
その前に今回の調査内容につきまして、簡潔ではありますが説明したいと思います。
検 査 内 容
↑ 最上階からの躯体の状況確認を行ったところ外壁塗装の劣化が始まって一部剥がれているのを確認いたしました。築9年でこの状態ですので、外壁塗装の塗り替え時期が近づいているのがわかりますね。
躯体を保護しているのが塗装の塗膜なので躯体に少しでも隙間があった場合、鉄筋の錆の腐食に繋がらないよう外壁塗装にて躯体の劣化を遅らせるよう修繕計画を立てていきましょう
↑ 屋上のルーフドレンの一部欠損があるのを確認。排水管の詰まり防止のため設置することをお薦めいたします。
↑ アルミ手摺を設置されている躯体のひび割れを確認いたしました。ひび割れ測定では0.35mmですが、雨水の侵入しやすいひび割れ幅0.5mm以上になりますと躯体の劣化が早まる恐れが高くなりますので
修繕・補修の項目として計画していたほうがよろしいです。
↑ 共有階段の打診検査を行っているところです。躯体の浮きはありませんが、やはりコンクリート仕上となりますと新築から5年以内は劣化の変化に気づきにくい状況ではあります。今回、表層のひび割れ等が起き
始めているのを確認いたしました。このままこの状態でノーメンテナンス状態ですと15年~20年以内には表層モルタルの剥がれなどの現象が発生しやすくなりますので、修繕計画において防水塗装や防塵塗装などで
躯体の劣化防止対策などの計画を立てておくことをお薦めいたします。
↑ 外壁タイルの浮きや剥がれなどが無いか打診棒にて確認をしているところです。タイル張り工法によって乾式(下地金具による固定)湿式(モルタル下地材にて施工)よって打診の音が異なりますので
調査時には注意を促し対応いたしました。
↑ 外壁の一部にひび割れがあるのを確認いたしました。表層モルタルのひび割れに該当いたします。外壁塗装塗替え時にひび割れ補修などを行うことをお薦めいたします。
↑ 非破壊検査を行っているところです。建物は基本、基礎から鉄筋の縦筋が配筋されておりその間隔が適切なのか調査しました。
↑ 建物傾斜測定を下げ振りを用いて調査しているところです。基準値は6/1000以上は無いのか?を建物の2ポイント以上の壁面を調査対象として測定を行いましたが特に許容範囲内の測定値でした。
↑ 壁の傾斜測定を行っております。測定値6/1000以下でしたので今回は指摘はありませんでした。
※今回の調査含め、報告書を作成し依頼者に提出させて頂きました。なにかあれば当社へご相談頂き対応できる検査内容であれば調査・見積もりなどを行っております。
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