築50年 RCB造 戸建て住宅
今回は、旧耐震建築物(昭和56年6月1日以前の建物)をホームインスペクション業務を行いました。調査時には空き家においては、電気・水道の一時的な開栓・通電のお願いをしております。
建物の主要構造部の劣化状況の確認も行いますが、内装材の不具合や床下・天井点検口から目視範囲内で確認いたします。給排水・換気設備、電気設備等も調査いたします。
今回も簡易的ではありますが、不具合のあった箇所をピックアップして内容を説明したいと思います。
調 査 内 容
↑ 築年数も50年となりますと躯体の肉厚の薄い箇所から経年劣化が進行してひび割れ、剥離といった劣化現象が建物の外観に多く見受けられてきます。補修工法を選定した上で対応することをお薦めします。
↑ 2階バルコニー及び屋根スラブの確認を行いました。特に吹きさらしの屋根は塩害や紫外線にとよる劣化状況が1階と比べ所々確認されました。特に多いのが屋根スラブ裏の剥離です。内部鉄筋まで雨水が
浸透し鉄筋の腐食が進行することでコンクリートの剥離現象が発生いたします。対処方法として屋上防水塗装、ひび割れ箇所は、エポキシ樹脂注入工法などを使用して躯体の劣化を遅らせることをお薦めします
↑ 2階出窓下部の鉄筋腐食によりコンクリート躯体の剥離を確認いたしました。鉄筋は腐食しており今後も腐食は進行いたしますので、サビた範囲は防錆処理を行い補修工法を選定したもので補修することを
推奨いたします。
↑ 2階の主要構造部の柱についてひび割れがあるのを確認いたしました。主筋(メインとなる鉄筋)方向にひび割れが起きる現象を材軸方向のひび割れといい、鉄筋の錆による劣化が原因でひび割れ現象が
起きやすくなりますので、防錆処理を行い補修工法を選定の上で対応することを推奨いたします。
↑ 柱の材軸方向のひび割れ幅をクラックスケールにて測定しております。既存状況調査での指摘となるひび割れ幅が0.5mm以上となっており、現地では3.0mmのひび割れ幅を確認いたしました。
雨水の侵入しやすい幅となっているため鉄筋の錆の腐食進行は進んでいるものと思われます。
↑ 内部の調査では1階天井に雨漏り跡の確認をいたしました。原因として考えられるのは、2階バルコニーの躯体の劣化が進行しひび割れや剥離がある可能性が高いです。2階バルコニーは防水塗装が施されて
いないため躯体の劣化が進行しているものと思われます。
↑ 水廻りの木製建具枠の劣化を確認いたしました。水廻りということもあり経年劣化による腐食になります。張替えなどを行う必要がありますので、リフォーム計画の中で対応することをお薦めいたします。
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